2017年1月11日水曜日

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author 著者...昭和初期から戦時中にかけて「釣之研究社」という出版社が東京市神田區錦町にあった。「毛鉤釣教壇」金子正勝、昭和16年(1941)3月刊 はこの出版社から上梓された。真珠湾攻撃から太平洋戦争に突入する9ヶ月前である。昭和12年(1937)からの大東亜戦争で中国や南方の戦線が拡大して、国内は「戦時」であったろう...そんな折り、趣味であり遊びであるフライフィッシングの解説書を出版したのには勇気が要ることだったと思う。著者の金子正勝氏の経歴や人となりを知りたくて探ってみたが、皆目判らない。話には聞いたことがあったような?なにかの本で読んだような?...「古書好き」の友人NYが「釣之研究」の古書を4冊取り寄せてPDFファイルで送ってくれたが、フライフィッシングの先達である金子先生のことは判らずにいる。昭和10年代、戦争に向かう閉塞感と厭戦気分を話のなかで傳法な言葉でチクリと書いている...『折角、コンテンプラティブ、レクリエーションの釣りの世界にまで、イクサの聯想なぞ起こさせられちゃ、カナワンからネ』(containplative 沈思、黙想)
画像はNY所蔵の古書「釣之研究」表紙...東京湾名物、青鱚(アオギス)の脚立釣り光景や、夏休みに制帽を被った少年の釣りなど「時代」を感じさせる。

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