2020年8月31日月曜日

Iconoglass

North Fork Compositesのグラスロッドの名称は「アイコノグラス」愛子さんのじゃないからね(笑)Iconoはたぶん象徴的Iconicから来ている。ノースフォーク・コンポジットはFFMには馴染みがないかもしれないが、巨匠ゲリー・ルーミスGary Loomisが2009年から始めた会社で現在のG.Loomis社とは無関係(ブランドとして社名を売ってしまい自分の名前が使えないとは何とも複雑〜苦笑)Iconoglassの素材はS2グラスで色はnaturalナチュラル、cyanシアン、grayグレイとグリーンgreenの4色で予め樹脂染色されている。ラインナップはFresh Water用764からSalt Water用8612まであり、全て4ピース。画像はフィッシュテールグリップにD/Lスクリューシートでブランクは7644/cyanを使ったロッド...

2020年8月30日日曜日

wishing

「芦澤一洋と行くイエローストーン・ツアー」に初めて行った時に、東京・新富町マッキーズ・クリークに注文したと言っていたから、かれこれ37年。SAGE Graphite III690-4RPL のブランクを使い作られたロッド。コルクグリップは経年でゴワゴワ(釣りすぎ?笑)シートはブライヤーウッドにN/S金具が付けられていた。「手並み」と「記入文字」を見るとマッキー(宮坂雅木さん)製作とわかる。巻き直すのも何なので、お尻からコルクグリップとリールシートだけを交換して他は温存...
1983年、Mack's Creek初期の頃のマッキーさん「手書き」のカタログ。

2020年8月29日土曜日

mounting

R.L.Winston  Rodの日本総代理店は、神戸・ヒノウエに始まり(この時代の作りは優美であった)少し間があって愛知・イナガキ、神戸・津田商会、今はC&Fかな?このIM6の布袋に赤いスタンプのヤマメマークがあったからイナガキ時代だな(笑)...新しいコルクグリップとゼブラウッド・スペーサーのN/S金具を装着するmounting。上のウッドはチークで昔は好みでオーダー出来たが今はどうなっているのかは知らない。古いウインストン・シガーグリップはU/LでもD/Lでも「フィッシュテール」fish tail型でD/Lは尾鰭の部分の径を小さめに作り握り心地がよい。U/Lは受け金具を埋め込む関係でちょいとばかり大きくなる。

2020年8月28日金曜日

Hi-Visibility

リーダーやティペットは「どこ」のを使ってます?この秋からNCAはコレ(笑)1980年代フライライト社Fly Riteからバットセクションは黄色で二本のティペットが付属した「Hi-Viz」というリーダーが出されていた...時は移り、製造技術の革新と研究によりテーパードリーダーやティペットも格段の性能を持っている。ご紹介するのは国産フジノライン「AQ/Nylon Leader & Tippet」AQはAdvanced Quality高度な品質。特殊な加工でナイロンの吸湿性やキズを防いでいる。比重のあるフロロカーボン加工品とは異なり、コイルが取りやすく撥水も長持ちして浮力をキープする。AQ/Nylon Leaderは9ft / 12ft / 15ftの長さで4X/5X/6X/7X、AQ/Tippetは4X〜10Xの50m巻きでご用意。「フライの行方が追い易く、しなやかで使い易い」お問い合わせはncaflyfish@Gmail.comへどうぞ。

2020年8月27日木曜日

Rod winder

8/19のブログで「フェルール下のピンライン」の話をしたけど修理のAusable 39が届いて早速確認して大笑い...拡大写真で見た「技」はティッピングの巻きに隙間が開いていただけ。1976年当時、HLLのラッピング担当はEthel Frauson女史。この方1917年からレナード社で働いていると書いてあるから、この時点で勤続59年!のベテラン。あの〜エセルさん隙間ありますけど〜肉眼で見れば気にならないので、まぁいいか〜(苦笑)完成後40年以上経ったロッドとは思えないくらいしっかりたミディアム・アクション。コルクやパーツも上々。フェルールのセレーションserration(鋸歯の入ったところ。割り)部分をオリジナルに近い色のシルク糸で巻き直し、塗装して「修理完了」
噂のエセルおばさん...卓上ミシンと壁にかかるのはガイドスペーシング用物差しかな?器具を使う「横巻き」ではなく、脇に挟み込んで回す方法「縦巻き」はNCAも同じやり方です...(笑)

2020年8月26日水曜日

Zebrawood

送られてきた「ゼブラ・ウッド」をWinston IM6 Rodに装着するシートフィラーに加工。N/S金具はオリジナルから外したものを使用するので、細身のスモールサイズにウッドを削り込む。釣りに来ていた友人がこれをみて「あら?このウィンストン、レーザー加工の印字曲がってない?」と指摘してくれた。気づかなかった〜バットキャップはセパレート式なので刻印の入ったプレートを外して正しい位置に戻した...(笑)

2020年8月25日火曜日

Flyfish (2)

一緒に釣りをして40年近くなるが、この男、先行して釣る、後から来て釣る。必ずと言っていいほど「帳尻」を合わせる...古いHLL改造・段巻きロッドの長さは6'6"位だけど、竿の長さに関わらず「釣る」同じくらい彼と釣行したKYいわく「一緒に釣るといや〜な感じ」(笑)
DY満面の笑顔...渇水の流れで竿を曲げる。たまに釣り逸らかしたら「ウェ〜ィ」と言ってやるが、外した魚を再びかけるから悔しい(笑)昨日行った川の方が水量がいいのでは?と衆議一決。あの方面ということは「あんかけ」が脳内を巡るじゃないか〜
東日本大震災(2011/3/11)の津波で旧店舗が流され、昨年KYと仮設店舗で食べてメニューの多さと味が気に入った。今年から店舗を町内に移して営業する人気店。人の出入りが多くいつも満席だ...
う、デカイ!これで一人前だが量的には二人前はある。餡は塩味で旨し!翌日にして「あんかけカタ焼きそば」を食せた(爆笑)

2020年8月24日月曜日

Parts

Pflueger Medalist のドレスアップ・パーツのご注文ありがとうございます。ご好評いただき数がまとまりましたので、米国に発注しました(輸入)到着まで約10日間のご猶予を頂きます。画像は米国の友人DHのメダリスト。「大好き」でいろいろイジってありますね〜(笑)
Left to right
1494 DA with One Pfoot latch cover, counterbalance, drag screw, foot, sculpted pillars and 16 indent drag plate
1494 Akron same but without sculpted pillars. Has a swirl One Pfoot handle
1495 Akron latch cover, counterbalance ,foot and butterscotch handle
2095 Pfluger Gem with a cream handle
All parts and work from Dan Hill 

2020年8月23日日曜日

Flyfish

「自粛」していたが、も〜耐え切れずに深夜の東北道を北上したFFM達と釣りに。真夏8月の気温は28℃だけど木陰は気持ち良い。
水量も良く、真っ昼間の11時頃入渓した割にはよく釣れた。
黒いPflueger "Medalist"1492も磨かれたように光る。太陽ギラギラの中でも毛鉤を追喰いする、この区間のヤマメ...
下流に20km走って津波被害を受け復興中の町の中華「喜楽」で昼飯。近隣にラーメン屋が4軒もある激戦区。地元民が通うくらいだから味は確か。塩ラーメン・半チャーハン・セットを食す。いずれも盛りが多く、ニラレバ定食のコースケは苦闘。カウンターの端のお客が頼んだアンカケ・カタ焼きそばも旨そう。次回はアレだな...(笑)

2020年8月22日土曜日

style

古いコルクグリップを剥いてみたら、コルクリング幅の跡がブランクに残っていた。ひとつひとつ接着した後に削られていたようだ。IM6 Rodsはワインディングチェックに向かい収束するWinston Ciger...オーナーは先端の丸みをお望みなので全体的に1mmほど太めに握りを確かめながら削る。たしかにオリジナルは手の小さい私でも「細い」(笑)改造はロッドエンドから行うのでゼブラウッドは壊したがN/S金具は流用する。バランスを見るため暫定的にコルクフィラーを装着する...

な〜んて作業を終えたら電話...「まだ間に合いますか?やはりオリジナルのカタチに...」だって(笑)細くした物は戻せないが太いのは「削る」ことが出来る。早速、削り直し。サイズは若干太めにした。次の問題はシートフィラー。ウッドから作り出さなくてはならない...ま、なんとかなるでしょ「技術と経験」のNCAですから(笑)

2020年8月21日金曜日

Parts

Pflueger "MEDALIST"のドレスアップ・パーツ。ラッチカバーLatch coverとフットFootを先日のブログで紹介したところ早速、個人や小売店から問い合わせがあって再び掲載...やはり「好事家」が多いフルーガーリール(笑)前回、輸入分は完売。ただ、いつまであるか分からないのと在庫して販売する程の事もないモノなので、ご注文を受けて米国に発注するという形で供給いたします。
小売店には申し訳ありませんが価格設定ができないので、NCAから直接販売だけとさせていただきます。ラッチカバーはナロー、ワイドサイズとも共通部品。フットは二種類ありNarrowが1492/1494/1495/1496用。wideは1492-1/2,1494-1/2,1495-1/2,1496-1/2用となります。ご興味がございましたらncaflyfish@Gmail.comまでお問い合わせください。

2020年8月20日木曜日

IM6

Winston がレギュラーグラファイトから移行してIM6素材をロッドに使い始めたのが1995年頃、2002年にはBronに移行しているがボロンの硬さより「IM6が好き!」という方からグリップ交換の依頼があって古いカタログをひっくり返して少し昔のウィンストン・シガー・グリップの形を探す。今ついているグリップは細めなので多少太めにとご要望があった。現寸法を測りながら絵を描いておく。2002年ウィンストン・カタログの表紙にあるフィッシュテール(WinstonではCigarと呼んでいる)がその「カタチ」かも...6-7/16"(約163mm)の長さ。

2020年8月19日水曜日

model 39

model 39の修理依頼があった。以前、39Hのグリップ交換をした方だ(2018/11/6のブログ、39Hに記事)1976年のHLLカタログから登場するセパレート式のD/LスクリューにN/SポケットのリールシートなのでオーサブルAusableの7'6"#5とわかる。Ausableは川の名前で米国東部アディロンダック山脈からニューヨーク州を流れ、レイクプラシッドとオーサブルフォークを経由しシャンプレーン湖に流れ込むフライフィッシングのクラシック・ストリームだ。アクションはミディアムのナチュラルケーンロッド。現物は「北の大地」から輸送中だけど先ずは画像診断...
40年以上使われているにしては美しい。HLLの使っているウッドはバターナッツと決めて掛かる人も多いがカタログによると、このシート・ウッドはマホガニーmahogany...今までどれだけの鱒を掛けてきたやら...
さて修理箇所はフェルール部の巻き糸のクラック。ここは使えばどうしてもこうなる場所。NCAが注目したのはクラックよりも飾り巻きのピンライン!どうやって巻いてるんだ?荷物の到着が楽しみ...

2020年8月18日火曜日

Dress up

One-Pfoot創業者のBill Franke(1948-2012)からDan Hillに引き継がれた部品。長い歴史を持つPflueger Medalistリールの愛好者は多く、いまもカスタムパーツを欲しがる人は多い。日本国内でも販売されていたが現在は「売切れ」なのでNCAで輸入(笑)1930年代風ラッチカバーとリールフットに交換してドレスアップDress upする...アルミ製の交換フットは1492,1494,1495,1496用のNarrowと1492-1/2,1494-1/2,1495-1/2,1498用のWideがある。Spool Latch Coverは全機種共通。いずれも付け替えはマイナス・ドライバーひとつで簡単に...
うん、これで殆どのC&Rシートにフルーガー・リールが使えるぞ...

2020年8月17日月曜日

thing

フェザー安全剃刀社は1932年(昭和7年)創業。父が髭剃りに使っていて、子供の頃から目にしていた「羽根のマーク」を久しぶりに見たな。0.1mmの刃厚はティッピングの続く作業で糸が「スパッ!」と切れて気持ちよい...両刃をぺチッと二分割にしたときに、この刃を無理くり曲げて使うウイングカッターのことを思い出した。確か〜と探したが出てこない。仕舞ってあると思ったところからは別のウイング成形道具が...
Wing Thingという名称で手書きで熱く語られた能書きコピーが添えられている。メイフライでもカディスウイングでも作れるとある。40年以上前に入手したと思われるウイングバーナー、そのうちにまた使ってみよう。肝心のウィングカッターのホルダーはプラスチックが劣化して刃をホールドできなくて、捨ててしまったたことに気づいた...(苦笑)

2020年8月16日日曜日

fitting

fitting 相応しい、恰好...フライフィッシングに於ける「三種の神器」の一つフライリールもFFM各自の好みにより、色々なメーカーのリールが装着される。各メーカー基準で作られたリールフットは厚み、形がバラバラで合わない場合もある。NCAの場合ハーディ社フットを「基準」としているけど、これも新旧で厚みの差があって悩ましい。スクリューロックの場合は、ネジを締めあげる為ほぼ問題はないがキャップ&リングではフット形状でリールがとまらないことがある。このあたりの事情をご存知の方は使用するリールを送ってくれるので助かる(笑)

2020年8月15日土曜日

cheap & chic

cheap & chic 安くて、粋な...今風に言えばcoolとでも言うのかな...1967年のWilliam Mills & Son Inc.のカタログではPfluger"Medalist"Reel 1492 (2-7/8"/4oz.)は$9.95。この時代$1=¥360の固定相場で¥3,582。同サイズの高級品、英国ハーディ社フェザーウェイト(2-7/8"/3oz.)が$26.75だから比較すると随分「お安い」NCA/Kameglassにつけたリールシートはフェザーウェイト社Featherweightの#9MSオールアルミ。フライボックスはパーリンPERRINEこちらもチープでしょ(笑)...川は流れ、時も流れ流れて、ちょっと前まで簡単に入手出来たものが今や絶滅危惧種...ここはひとつ60'S〜70'sの気分で釣りにいくか...

2020年8月14日金曜日

affinity

「今年、グラスロッドをオーダーしたSYです。報告遅れましたが、このロッドとは非常に相性が良く、コロナのせいなのか人出の減った近郊の川で結構いい釣りをさせてもらってます!とりあえず、今日一番のイワナの画像を...このCTS/763-4pc./Tea color Rod、すでに数では200匹以上の魚を掛けています。残るシーズン、このロッドで是非にも尺ヤマメを掛けたい...」おお〜イワナもここまで来ると魚類というより爬虫類の顔つき。お好きなPeerless 1A Reelも相性affinityバッチリ...(笑)

2020年8月13日木曜日

Gull-Gray 2pc.

Dr.Ernest SchwiebertのCollectionがLang's のオークションに出たのが2008年4月。氏のフライフィッシングに対するセンス溢れるコレクションが掲載されたカタログの中にHLL/Graftekがあった。1975年頃、エクソンの素材を使いグレイに塗装されたロッドは低迷していたHLL社の救世主になるかと思われたが、他社グラファイト・ロッドの更なる進歩に追随出来ず歴史の中に埋もれた...NCA/ Gull-Gray 7'7"#3/4は洒落たグレイでHLL風の外観を目指し再現してみた。夢の中で「C&Rリールシートにしてみたら?」とありがた〜いお告げがあり早速、起き掛けに装着してみた...ザクッリした作りの本家よりも美しい(自画自賛・笑)

2020年8月12日水曜日

weather

昨日は早い時間から気温が上昇して、昼過ぎに外気温34℃・湿度35%だった。外にいた犬のキンちゃんもゲンナリした顔つきでハァハァと息が荒い。ミニチュア・ダックスフントだから脚も短く地表からの熱の感じ方が近い様だ(毛皮も着てるし)関東地方では危険な暑さと言われる40℃を越えたた所もあり、北国(?)岩手でも夜になっても熱気は漂って「熱帯夜」朝から外気温は26℃・湿度65%で今日も暑い天気予報...

2020年8月11日火曜日

Gull-Gray

山釣り志向のFFMがNCA/Gull-Gray 7634-6pc.で釣り上げた「尺イワナ」これにはちょっとしたエピソードがあった「入渓直後にトップガイドが抜けてしまい、ティペットで引っ張り応急処置をして釣りました」ザックを背にして山越え谷越えの釣行らしく「仕舞い込み寸法」が大事だけど「カタチ」もダイジ(笑)だいぶ前にHLL/GRAFTEK風味で作った6本継ぎ415mm収納のパック・ロッド...
確かどこかで見たよな〜とブランクを探したら7634-6pc.Gull-Grayがワンセット、7634-6pc.Graphite-Gray(クリア塗装)が一本出てきた。使用前と修理にやってきた使用後のロッドと記念撮影...

2020年8月10日月曜日

ability

6月終わりに購入されたNCA/Bamboo Rodでの釣果報告を貰った。「バンブーで一ヶ月遊ばせてもらいました。思っていたより力があるし、コントロールもし易かったです。画像はバンブーの相手をしてくれた湖での虹鱒57cm(ハコスチ)と源流イワナ37cmです...」メールを開けてビックリ!このロッド確か7'0"#3/4ではなかったか?今更ながら竹竿の持つ強さというか能力abilityに驚かされる。この他にも40cmクラスのイワナを3本バラしたそうだ...ドッヒヤー!!なんと言うことでしょう...
ロッドのポテンシャルもそうだけど、この魚体も素晴らしい...大虹鱒と大岩魚、あ〜夢に出て来そう〜(笑)

2020年8月9日日曜日

number

車のナンバーを見るとびっくりでしょ「諏訪」(すわ)って何処?と思われる方もいるかも知れない。長野県諏訪市のNSが出来上がったグラスロッドを引き取りに来た。天候不順だったので漸くという感じだ。岩手から信州・諏訪まで高速道で行っても約8時間...実はそんなに走ってきた訳ではなく、仙台に単身赴任中だから約2時間で辿り着く(笑)
CTS/7'6"#3 / 3pc."Golden Shadow"仕様...3ピースにするか4ピースにするか悩んだ結果、以前作ったnca/Kameglassの感触を好まれていたので3ピースにて製作。763-4pc.と763-3pc.をラインを通して振り比べると3ピースの方が当然、セクションも長くジョイント数の関係もあいまって、より「しなやか」に感じた。
新しいロッドを持って、いそいそと出掛けた。その後、雨が降り出してどうしたかなと思っていたらメールが送られて来た。「全体的に型は小さく、手で持っているのが一番マシでした。数はたくさんつれましたけど...ロッドはバットがしっかりしていてアキュラシー性能が高く、狙ったところにバシバシ入ります...」ですと〜(笑)
まだまだ水量が多いな〜いい川なんだから水の落ち着いた頃に再挑戦ですな。夜半からまた雨が一段と強くなった...

2020年8月8日土曜日

Moulinet 'a moucher

Fabrique au Japon/Moulinet 'a moucherフランス語で「日本の素晴らしいフライリール」と印刷された箱はご存知、フルーガーメダリストPflueger Medalist用。仏語表記があるということはかの国に輸出されていたと思われる。コロラド州デンバーにシェークスピア・カンパニーがあった時代に日本で製造された。「メダリスト」はフルーガーの中で最も息の長いリールで誕生は1925年、日本で言えば大正14年。ボディはプレスや抜き型で作られ大変シンプルな構造を持ったフライリールは現在も愛好者が多く蘊蓄は「好事家」に任せる。米国内で作られたのち、数奇な運命を辿りプレス型が香港や日本に渡り2012年頃まで製造が続けられた。中部地方にあった工場で「やってたよ」と言われた。現在はリール製造業は廃業してしまったが、その昔アルキオン・リールの製造でお世話になった。他にS社のハニカムフェースやA社のリールも手掛けていた。今はその頃の「箱」だけが残る...
この最小サイズPflueger #1492 CJは友人が1985年(35年前)に埼玉・蕨のS釣具店で購入したそうだ。オリジナルのフットはプレスもので厚みがあり平たく、使えるリールシートが限定される。そこで自作したアルミフットに付け替えたという...
フルーガー・エンスーには1492 の後に続くCJで製作年代など判るらしい。AKとあればオハイオ州アクロンでPflueger社が作ったとか...ラインガード、ネジのスタイルやプレスの感じを熱く「語る」人もいる(笑)
                                                                 Reel & photo / Y.Kurumada

2020年8月7日金曜日

once upon a time

昭和16年(1941年)釣之研究社刊「毛鉤釣教壇」金子正勝著の広告ページに「植野リール製作所」が掲載されている。古いオリンピックリールには五輪マークの上に飛魚が刻印されている。知的財産であるコピー製品や商標権が問題にされない「緩い」時代だった。時は進み国際オリンピック委員会に憚ってか「オリムピック釣具」いう呼称の社名にしてみたものの最終的には光学会社と合併してマミヤOPとなった。20年位前に釣具の製造・販売から撤退して久しい...
横浜・桜木町が現在の様に再開発される前の1970年代、東は造船所と国鉄の引き込み線、桜木町駅の古い駅舎を西に国道を渡ったビルディング内に釣具店があり、そこで購入したOlympic#4200フライリールの話である。当時、20代の若造にとってハーディリールは高嶺の花で手が出なかったが、そっくりに作られたリールを見つけた。サイズはフェザーウェィトFeatherweightと同じで直径2-7/8"(7.30cm)#4番ラインにピッタリ。購入した価格は忘れたけど2,000円はしなかったと思う。東京・京橋「つるや釣具店」で輸入販売していた本物は23,000円だったか...(横浜・曙町にも暖簾分けされた「つるや釣具店」があり、通った・笑)
日本の製造技術を持って作られたリールは一大消費地である米国に塗装色を変えて(Heddon #300 seriesなど)ブランドを付けられ輸出されていた。1975年5月に英国のエリザベス女王Queen Elizabeth IIがフィリップ殿下と訪日するにあたり、この英国の誇るハーディ社「そっくりさん」というより「コピー」商品が世界中で安価に販売される事が槍玉に上がり製造と販売をやめたと聞く。これがまたよく出来ていて、70年台のU型ラインガード(所謂ヘビーU)、裏側のリベット位置、ドラグ内部構造まで「完コピ」製品。今なら大問題だったろうが...ゆるい時代のメイド・イン・ジャパン。プアマンズ・ハーディ(笑)スプールは淡い若草色に焼き付け塗装されていたが、その後こっこつと剥がして本家に近づけた...ボディは深緑色、Hardy/tealのような塗装を施されている。
1980年代になり、我が国でも「フライフィッシング熱」が高まり、輸入品だけでは無くフライリールを国内、海外に向けて量産製造する会社が数社出現した(現在では皆無に近い)...この項、続く(かも・笑)